トカゲとトカゲが恋に落ちた
正確に言うなら二匹のトカゲが
それぞれに恋に落ちた
一匹はドクロが嫌いな女の子に
もう一匹はヒルズのカフェで働く女の子に
君はいいさ
そんなに綺麗なグリーンなんだもの
僕なんて茶色だよ茶色
君はどんな時だって紳士じゃないか
僕なんて雨上がりの匂いすら
うまく説明できやしないってのに
二匹は来る日も来る日も
そうやってお互いを誉めあった
もちろん告白なんてできやしない
心理的にも物理的にも
それでも確かにそこにある想いに
二匹はトキメイて苦しくなって
いつもはうざったいコンクリートの熱さも
心地よく思えた
根本的な間違いすら
超越してしまう感情がこの世にはある
つまり恋は盲目で
けれどだからこそ素晴らしい
二匹の想いは届かずとも
そこにハッキリと幸せの痛みは残り
そのカサブタが剥がれる時
また一つオトナになるのである
ちぎれた尻尾が
ゆっくりと
伸びるように














